路面電車で出会った女性との、白昼夢のような日々に迷い込んでいる(3)
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僕たちはいろいろな話をした。沙耶さんは喫茶店を営んでいる祖母と二人で暮らしているそうだ。ご両親は県外に住んでおり、彼女は大学進学を機にこの街に移り住んだらしい。
「もう10年以上になりますから、感覚的にはここが一番住み慣れています」
そう笑いながら話す沙耶さんに見惚れつつ、密かに年齢を計算して驚いたのはここだけの話だ。年上かもしれないという気はしていたが、二つか三つくらいだと思っていた。
驚い...
路面電車で出会った女性との、白昼夢のような日々に迷い込んでいる(2)
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駅前のカフェは休日の午後だというのに、それほど混雑していなかった。
僕と彼女は窓際のテーブルに向かい合い座り、コーヒーとケーキを注文する。彼女はホット、僕はアイスだった。
「あの……」
僕は彼女に話しかけようとして言葉に詰まった。何を話していいのかわからないのだ。
話題に窮した僕に、彼女は小首を傾げる。その仕草がとても可愛らしかったので、思わず見惚れてしまい言葉を忘れた。そしてそんな自分がい...
路面電車で出会った女性との、白昼夢のような日々に迷い込んでいる(1)
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息をのむような、という表現がある。英語でも”breathtaking”という単語が似たような意味らしい。ということは思いもよらぬ事態に直面したとき、ふいに呼吸を忘れてしまうのは、広く普遍的な反応であるようだ。
大学を卒業してすぐの頃、僕は路面電車の車内で、息をのむような美しい女性に出会った。
午後の光が彼女のきめ細かな白い肌を照らしていた。年齢はおそらく20代から30代だろう。生活感が希薄でどんな人物なのか想...
還暦美夫人の満たされない飢えと渇きに愛欲を注げば(2)
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土曜日の午後、食事を終えた俺たちはベッドの上で裸で抱き合っていた。紀子さんに覆いかぶさり唇を奪うような濃厚なキスをしながら胸を揉みしだき乳首を指先で転がすように弄ぶ。そうしているうちにだんだんと呼吸が激しくなり始めるのを感じたので一旦顔を離すと彼女は大きく深呼吸をした。目は潤み頰は上気している。
「和也くん、今日はこの前よりも激しいんだね」
そう呟いて恥ずかしそうに目を逸らす姿が可愛らしくて再...
還暦美夫人の満たされない飢えと渇きに愛欲を注げば(1)
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出会い系サイトでメッセージを送ったその女性が、年齢をサバ読んでいることは最初から解っていた。別の出会い系サイトで見かけたことがあり、そこでは最終ログインから5年以上が経過しているのに、現在と設定年齢が同じだったからだ。 設定年齢の自動更新はされないはずなので、当時の「50代半ば」という情報が本当だったとしても、現在の年齢は少なくとも60歳以上ということになる。それを承知で俺が彼女にメッセージを送りア...