『人妻は秘めやかに濡れる』



誰もが心の奥底に人には言えない欲望を抱えている。多くの場合その欲望は様々な制約により縛られ眠っている。近所の目、家族関係、社会的地位、幾つもの鎖が欲望を抑え込む。

けれども日常のほんの小さなきっかけ、ふとした些細な綻びで、ひとたび拘束から放たれた獣は、心の闇に潜み容易に捕らえることはできない。感情を燃え滾らせ、ときに自らを追い詰め、けれどもそれすら興奮と快楽へと変える。

どこまでも深く深く堕ちていく。夜の闇は私たちに溶け込み、人知れぬの蜜事の予感に身体は震える。期待に胸を膨らませ、秘所をじっとりと濡らし、人妻たちは不貞の情事に溺れていく。それはまるで腐りかけの果実のように甘くて苦くて刺激的だから。


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