初めてできた恋人よりも魅力的な彼女の母親との不倫(2)
夜中に尿意で目が覚めた。
布団から這い出して、慣れない他人の家の廊下を恐る恐る進んでいると、どこからか話し声が聞こえた。
「……っ……だから、それは……、もう……」
どうやら遥さんのようだ。話相手声はしないので、おそらく電話だろう。
遥さんは普段とは違い、少し苛立っているような口調だった。
「そうよ……旦那は今日も出張だなんて言って、どうせ他の女のところでしょ」
(は……?)
早紀の母親としての遥さんしか知らない僕は、その声のトーンに戸惑う。
「……そんなこと言って、伸二だって奥さんに隠れて私と浮気してるじゃない、え? やめてよ、ただの元カレで、セフレとしか思ってないわ。そうそう、聞いてよ。今日、娘が彼氏くんを家に連れて来てね……」
僕はまずいと思いつつも遥さんの部屋へと近づき、電話の内容に耳を澄ませた。
(元カレ、セフレ……? 遥さんが浮気!?)
困惑は降り積もるばかりで、その場から動くことができなくなってしまう。
「……ふふ、そうね……娘も年頃だし、彼氏の一人や二人くらいいてもおかしくないけどね。ただ、そばで見てるとやっぱり羨ましくなるものね。……若いっていいわあ」
遥さんは楽しそうに笑う。
あまりに衝撃的な内容に僕はその場で固まってしまっていた。心臓が激しく脈打っている。
だから彼女が電話を終えたことにも気が付かなかったし、寝る準備をするために部屋から出ようとする彼女に対して、見つからないように速くこの場から逃げなければという、しごく真っ当な判断すらできなかった。
気が付くと目の前に遥さんが立っていた。
「あら? 啓太くん……どうしたの?」と遥さんは微笑む。
(どうして……?)
僕は動揺しすぎて言葉が出ない。そんな僕の様子を見て遥さんが続ける。
「ああ……もしかして、聞いてたのかしら?」
「……はい」
「ふふ……そう、じゃあ仕方ないわね」
そう言って遥さんは僕に近づいてくる。そして耳元で囁いた。
「お願い……浮気のこと、家族には黙っててくれる?」
「……は、い」と僕はなんとか答える。
すると彼女は満足そうに微笑んだ後、「ありがとう」と言って僕に抱きついてきた。そしてそのまま僕の唇を奪った。
「……んっ」と遥さんの吐息が漏れる。
僕は突然のことに驚いたが、遥さんの腕が背中に回され動くことができない。
彼女の柔らかい唇を感じていると続いて舌が侵入してきてた。しばらくお互いの舌を絡ませた後でゆっくりと顔を離すと、口元に唾液の糸を引いたまま彼女は言った。
「ふふ……これで啓太くんも私と同罪ね」
そう言って再び僕の唇を塞いだ。今度は激しく舌を入れてきた。無性に興奮した僕もそれに応えるように彼女の口内を蹂躙した。
「……んっ……啓太くん……」
遥さんが甘い声で囁く。
「ねえ、啓太くんは私としたい?」
耳元で囁かれた言葉に、僕は思わずはっとして遥さんから離れる。
自分が何をしているのか信じられなかった。
彼女が少し残念そうに笑った。
そしてその笑みを悪戯っぽく変化させると、僕の下半身に手を伸ばした。ズボン越しに優しく撫でながら再び耳元で囁く。
「でも……ここは正直みたいよ」と遥さんの手が僕の股間をまさぐる。
僕は恥ずかしさで顔を背けた。しかし遥さんはそんな僕の顔を両手で押さえて自分の方を向かせた。
「ふふ……可愛いわね」と言ってまたキスをした。今度は触れるだけの軽いキスだ。
「ね……啓太くん、私の部屋まで来てくれる?」
遥さんはそう言って僕の手を引いた。
僕はもう逆らえなかった。
遥さんの部屋に入り、そのまま明け方まで彼女の身体に溺れた。
◆◆◆
翌朝、僕は早紀が目を覚ます前に、遥さんに「もう帰ります」と言った。
彼女は朝食の支度をする手を止めると、
「あら? もう帰っちゃうの? 朝ごはんも食べて行けばいいのに」
そう言って残念そうに僕の腕を撫でる。
僕は思わずドキリとしたが努めて冷静に答える。
「……はい、お世話になりました」
恋人と初めて結ばれたその日の夜に、その恋人の母親ともセックスしてしまったのだ。ちょっと時間を置かなければ、早紀とは顔を合わせられそうにない。
そんな僕の表情を見て、遥さんは少し考え込む素振りを見せたかと思うとすぐに微笑んだ。
「ねえ……また遊びに来てくれるよね……?」
耳元で囁かれ、僕は肯定も否定も返すことができない。
押し黙る僕に遥さんは唇を重ねた。
舌を入れてきたので、僕もそれに応えて舌を絡める。しばらくお互いの口内を貪りあった後でゆっくりと顔を離した。
「……ありがとう」と言って彼女は僕を抱きしめる。
昨夜あれだけ出したのに、遥さんとのキスで僕の股間は痛いくらい勃起していた。
「……今度は、もっと気持ちよくしてあげるね」と彼女は僕の耳元で囁いた。
彼女の声や香りが僕の理性をじわじわと犯していく。
「また会って、しましょう? もちろん早紀には内緒でね……」
遥さんの甘い誘惑に僕はただ黙って頷くしかなかった。
それからというもの、僕は遥さんとの関係を続けてしまっていた。
早紀が家にいないときを見計らって遥さんの家に行き、セックスをする。
罪悪感に苛まれたのも最初のうちだけだった。いつしかそれは背徳感に変わっていた。
『啓太くん、今日うちに来ない? あの人も出張でいないの』
メッセージアプリの連絡先も交換した。
僕が了承の返信をすると、
『ありがとう、早紀にそれとなく促してみるから、後で連絡が来ると思うわ』
といったメッセージが送られてくる。
『愛してるわ、啓太くん』
そんな言葉と共に遥さんの自撮り画像が送られてきて、僕は興奮が高まるのを感じた。
◆◆◆
早紀がサークルの合宿で不在のときに、泊りに行くこともあった。
例によって遥さんのご主人、つまり早紀の父親はその日も不在にしており、僕も遅ればせながら彼女の夫婦関係があまり上手くいってないことに気づき始めていた。
夕食後、ソファに並んでテレビを見ていると、遥さんが甘えるように僕の肩に頭を乗せてきた。
そのまま見つめ合ったあとキスを交わす。だんだんと深いものに変わり、僕は遥さんの胸を服の上から触ると彼女は艶っぽい吐息を漏らした。
「ふふ……啓太くん、えっちなのね」
そう言って微笑む彼女の顔はとても妖艶だ。
(ああ……早紀の母親なのに……僕はなんてことをしてるんだ)
頭の片隅でそんなことを思うが、それすら興奮を駆り立てるスパイスでしかない。身体は正直で僕の手は遥さんの胸を揉み続ける。
「おっぱい大好きなのよね? もっと好きにしていいのよ」
そう言って遥さんは自らの手でその豊満な胸を持ち上げるようにして見せつけてきた。
僕はごくりと生唾を飲み込むと、手を伸ばし彼女の胸に顔を埋める。
柔らかい感触と共に甘い香りが鼻腔をくすぐり、遥さんの体温を感じながら僕は夢中でその匂いと柔らかさを堪能する。
「……可愛いわ、啓太くん」
そう言って優しく僕の頭を撫でてくれるその手つきにすら興奮を覚えてしまう自分がいる。
何度この行為を繰り返しただろうか? これから何度繰り返すのだろうか?
遥さんの身体から離れられる想像ができない。
「ねえ、啓太くん……もっと気持ちよくなりたい?」
遥さんの言葉に僕は顔を上げて彼女の顔を見る。そして小さく頷いた。
「じゃあ……今日は私が啓太くんの初めてをもらっちゃおうかな」
遥さんの浮かべる妖艶な笑みに、僕は背筋がぞくりとするのを感じた。
◆◆◆
「んっ……はぁっ、はるかさっ……」
僕の声に応えるように遥さんが口内を蹂躙してくる。
無我夢中で舌を絡ませながら、僕は彼女とのキスにすっかり夢中になっていた。
遥さんの左手が僕の股間に伸びてくる。敏感な部分を優しく撫でられて、僕は思わず腰を引いてしまう。
しかしそれを許さないとばかりに遥さんが右手を僕の腰に回し、ぐっと引き寄せた。そしてそのまま右手で僕のお尻の穴を確認するようにまさぐってくる。
「ふふ……啓太くんのお尻、小さくて可愛い……」
そんなことを遥さんは僕の耳元で囁く。
羞恥と快感で頭がおかしくなりそうだ。
口内を蹂躙されながら、股間とアナルに彼女の指先がもたらす快楽を感じて、僕は恥ずかしさと興奮が入り混じった複雑な感情を抱いた。
(なんで? なんでこんなことになってるんだ……?)
そんな疑問を抱きながらも、身体は快感に抗えずされるがままになっている自分がいる。
その間もずっと遥さんの両手は僕の身体を這い回り、時に激しく責め立ててくる。
「あっ……んん……」
思わず声を漏らした僕に。遥さんは嬉しそうに微笑むとさらに激しく責め立てる。
やがて僕の限界が近いことを悟ったのか、彼女はゆっくりと唇を離した。
そしてそのまま僕の上に覆い被さり耳元で囁く。
「……私のここに挿れたい……?」
そう言って遥さんは自分の股間を僕の股間に押し当ててきた。
彼女のそこはすでに濡れており、僕のものもガチガチに硬くなっている。
僕は遥さんの言葉を理解すると、ゴクリと音を立てて唾を飲み込んだ。そして小さく頷く。
それを見た遥さんは満足そうに笑みを浮かべて言った。
「ふふ……可愛いわ啓太くん。私、啓太くんみたいな子どもが欲しかったかも」
そう言って彼女はゆっくりと腰を下ろしていく。
「んっ……」と遥さんが小さく吐息を漏らした。
そのまま僕のものを根元まで飲み込んだところで、彼女は再び僕の顔を見た。
「……どう? 気持ちいい?」
そう言いながら、彼女の膣内がぐにぐにと蠢く。僕はただ黙って頷くことしかできない。
「早紀よりも?」
遥さんが悪戯っぽく笑う。僕は何も答えられない。
「いいのよ、別に。啓太くんは早紀の彼氏くんだものね」
そう言いながら彼女はゆっくりと腰を動かし始めた。その動きに合わせて僕の口からも声が漏れる。
「んっ……あっ……」
「ねえ、啓太くんは私の事好き?」
「……はい」
「ふふ……嬉しいわ」と言いながらさらに激しく動く。
結合部からはぐちゅりという音が聞こえてくる。その音さえも興奮材料にしかならない。
遥さんの膣内は熱くヌルついていて、それでいて柔らかい肉壁が僕のものを包み込み刺激を与えてくる。
その快感に思わず歯を食いしばる僕を見て遥さんは妖しく微笑んだかと思うと、唐突に唇を重ねてきた。舌を絡ませながら腰をくねらせて快感を与えてくる。
僕はされるがままになっているだけだったが、それでも十分すぎるほどの快楽を感じていた。
やがて遥さんが唇を離したところで、今度は僕が彼女の胸に手を伸ばした。
柔らかい感触を堪能しながら時折先端部分を摘まんでみたりするうちにだんだん気持ちよくなってきたのか、遥さんの口から甘い吐息が漏れ始めるようになった。
「んっ……はぁ……あっ……」
その表情を見ているうちに僕も我慢できなくなってきて思わず腰を動かすと遥さんもそれに合わせて動いてくれる。
「あんっ……ふふ、気持ちいい?」
「はい……すごく……」
遥さんの問いかけに素直に答えると彼女は嬉しそうに微笑んでくれた。
僕はもう限界だった。
「はるかさっ……もう、出ちゃいます」
僕がそう言うと遥さんはさらに腰の動きを早めた。
その瞬間に僕は果ててしまい、それと同時に遥さんの膣内が激しく痙攣したかと思うと大量の液体が流れ込んできたのを感じた。
(ああ……中に出しちゃったんだ)
そんなことをぼんやりと考えてながら、僕の意識はどこまでも闇に沈んでいくのだった。
(終)