音楽教師との学生時代の思い出(1)

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 短文投稿型のSNSで「音楽教師の地雷率が高い」との投稿が盛り上がっていたので学生時代を懐かしく思い出した。今にして思えば、確かに俺の通う学校の音楽教師も地雷だった。音楽の授業で先週までの流れを完全に無視して時間中ずっと勝手にピアノを弾いていたこともあるし、部活の指導をしたくないという理由から吹奏楽部はなくなった。三年生のときはクラス担任であるにも関わらず、受験もそろそろという時期に機嫌を損ねて一カ月くらい欠勤する始末だった。

 ただそんな地雷女教師に対して、不快な思い出があるとか嫌悪感を抱いていたかと言われると、そんなことは全くない。当時の彼女と同じくらいの年齢になった今では、教職でありながら年齢の割に価値観が幼稚だったことや、社会人としての常識に欠けていたことは理解できる。だが声変わりをしたばかりの子どもだった自分から見れば、彼女は十分に大人に思えたし、何より愛情と好意を持ち接してくれた上に、初めての性行為を教えてくれたのも彼女だったからだ。

 当時の俺は複雑な家庭環境にあり、友人とも学校外でわざわざ関わらず、授業もろくに聴いてないのに成績は良かったり、教職員にマークされる理由は十分だった。彼女は彼女なりにそのような思春期の不安定なメンタルを気にかけてくれていたのかもしれない。いい年して未成熟な自分のことを棚に上げて、とは思うが。

 彼女の名前は森下真知子。年齢は当時30代だった。入学して最初の音楽の授業を受けたときは、なんだか偉そうな教師だなあと思ったものだが、その一方で白いブラウスを押し上げる確かな膨らみと、タイトな黒いスカートから伸びる綺麗な脚に性的な欲望もまた抱いた。
 とはいえ一年生の頃は特にこれといった出来事は起こらなかった。せいぜい彼女のことを想像してオナニーしていたくらいだ。二年生の頃は合唱コンクールや
文化祭の練習でそれなりに絡みはあったが、所詮は教師と生徒の関係だ。親しくはなったがそれ以上の関係にはならなかった。

◆◆◆

 森下先生との関係が進展したのは、三年生になり彼女がクラス担任になってからだった。彼女は毎日ではないが放課後に音楽室に残り、一人ピアノを弾いていることがあった。ある日俺はクラスの提出物を取りまとめて彼女に会いに行く必要があったのだ。
 ドアの前で音楽が止まったのを確認して扉を開けると、彼女はピアノの前に腰掛けてこちらを見ていた。いつものタイトな黒いスカートからは真っ白な太ももが見えていた。

「演奏が終わるまで待っていてくれてありがとう」彼女は俺から提出物を受け取りながら言った。
「いえ、俺も聴いていたかったので」と答えると、彼女は少し困ったような笑みを浮かべて「じゃあ、もうちょっと付き合ってくれる? そのあたりに座っていてくれるだけでいいから」と言った。
 俺は特に予定もなかったので適当に座ると、本を読んでいてもいいですか? と確認をして鞄の中から小説を取り出した。

「何かリクエストはある?」彼女が冗談めかして言った。「じゃあラフマニノフのピアノ協奏曲第1番をお願いします」「それは読書のBGMとしてどうなの?」彼女は可笑しそうに笑う。
「ドビュッシーの『月の光』が好きです」
「そうなんだ、ならその辺りの曲を弾いてるね」
 それからピアノの音色とページをめくる音だけが聞こえる時間がしばらく続いた。

 気が付くと森下先生が目の前に立っていた。ずいぶん集中していたらしい、外が薄暗くなり始めていた。
「もう帰る?」彼女はしゃがんで俺の顔を覗き込みながら言った。彼女からは甘い匂いがして胸元に谷間が見えた。
「ありがとうございました。先生のピアノのおかげで集中できました」俺はお世辞抜きでそう答える。
「こちらこそありがとう。やっぱり聴いてくれている人がいるといいわね」彼女は満足そうに微笑んだ。
 俺はふと思いついて訊ねる。「先生って恋人いないんですか?」
 彼女は少し面食らったようだが「いないわよ」と苦笑いしながら答えた。

「じゃあ、俺が恋人になりましょうか?」
「え?」彼女は驚いたような表情を浮かべた。「あなたもそんな冗談言うのね」彼女は興味深そうに俺を見る。
「俺、先生のこと好きですよ」
「……ありがとう」彼女は少し考えてから答えた。「気持ちは嬉しいけど、そろそろ帰らないとね」
「そうですね、告白の答えは卒業するまでに聞かせてください」俺は軽口を叩きながら本を鞄に仕舞い帰り支度をする。立ち上がろうとすると彼女が目の前で手を差し伸べてきたので、おや、と思いつつも素直に手を握り立ち上がると、その勢いのまま引き寄せられ頬にキスをされた。故意というには短く偶発的というには長い時間の接触だった。
「じゃあ、気を付けて帰るのよ」彼女はそう言うと背中を向けて彼女自身の帰り支度を始めたので、俺は大人の女性は生徒から告白されたらこうやってあしらうものなのか、と妙な関心をしながら帰宅するのだった。

◆◆◆

 次の日からも、昨日のことが何もなかったかのように彼女はいつも通りだった。そしてそんな出来事があったことすら忘れ始めていた頃、授業の後で彼女に呼び止められた。
「最近暇だから何か面白い本があれば教えて」というのが彼女のリクエストだった。
「いま読んでいる本が面白いです」俺は急に言われて戸惑いつつも少し考えて答えた。
「読み終わったら貸してくれる?」本の内容すら訊かずに言われたので面食らうが「今日中には読み終わると思います」と了承した。

「……そうなの。ねえ、もし時間があるなら、今日も音楽室で読んでいったら?」
 それは意外な提案だった。元々あの日だって提出物があるから訪れただけだ。用事がなければ訪れたりはしない。
「お邪魔じゃないんですか?」
「邪魔だったら呼ばないわよ」
「わかりました」そういわけで、俺は放課後の音楽室で読みかけの本を読むことになった。

 放課後の音楽室は閑散としており俺と森下先生の二人だけだ。俺はこの前と同じ場所に座り、この前と同じように本を読み始めた。
 森下先生はピアノを演奏していたが、今日はあまり調子が乗らないのか頻繁に演奏が途中で止まる。
「もう読み終わったの?」俺が読了して身体を伸ばしていると彼女が話しかけてきた。
「読み終わりました」「どんな内容?」彼女はそう言って立ち上がると俺の隣に移動して腰を下ろした。

恋愛小説です」俺はそう言って本を渡す。
「ありがとう」彼女はページをめくり始める。彼女の髪からいい香りがする。俺は特にすることもなかったので、彼女の様子を眺めていたが、ふと悪戯心が芽生えて彼女の太ももに手を伸ばした。スカート越しに触れると彼女は一瞬驚いたようだったが、手を払い除けるようなことはしなかった。それどころか少し脚を開いて俺が触りやすいようにしてくれたので、そのまま内ももの辺りを優しく撫でるように手を動かすと、彼女はくすぐったそうに身体をよじった。

「……本当に私のこと好きなの?」彼女は本に視線を向けたまま訊ねる。
「そうですね」俺は彼女の太ももを撫でながら答えた。
「じゃあ、どうしてずっと来てくれなかったの?」彼女は少し責めるように言った。
「……先生?」俺は戸惑って訊ねたが、先生は何も言わずに本を読んでいるし、抵抗もしないので俺も手を止めた。

「ねえ」しばらくして彼女が口を開いたので、彼女の方を見ると今度は唇にキスをされた。そしてそのまま舌まで入ってくる。彼女の舌は俺の口の中を蹂躙するように動き回り、歯茎の裏を舐めたり、舌に絡みついたりとやりたい放題だ。俺は彼女の動きをなすすべなく受け入れる、彼女から一方的に攻め立てられている感じだ。
「あなたからはしてくれないの?」彼女は口を離すと欲情した瞳で囁く。
「いいんですか?」俺は少し困惑していたと思う。
「あなたがしてくれないなら私からするわ」彼女はそう言って立ち上がると、ブラウスのボタンを外し始めた。色っぽい下着に包まれた豊かな白い胸がこぼれる。

「触ってみて」彼女は俺の手を取ると、そのまま彼女の胸に触れさせた。柔らかく張りのある肌とその奥に感じる体温に興奮が高まる。
「ふふ、よかった」彼女は嬉しそうに微笑むと俺のベルトに手を掛けて外し始めた。「本当に私で硬くなってるのね」そう言うと彼女はしゃがみ込んで俺のズボンを下ろし始める。そしてパンツの上から俺のものに触れたかと思うと口に含んだ。俺は突然のことに驚きながらもされるがままになっていた。彼女の舌使いは巧みであっという間に射精感が込み上げてくる。「先生、もう」俺が限界を告げると彼女は俺を見上げて妖しく微笑んだ。そして一層激しくなる口淫に俺は耐え切れずそのまま彼女の口の中に出してしまった。彼女は喉を鳴らしてそれを飲み干すと満足げな表情で口を離す。

「気持ちよかった?」彼女は立ち上がると俺に抱き着いて耳元で囁いた。
「……はい」俺は素直に答えるしかなかった。
「私も気持ちよくなりたいの」そう言うと彼女は机に手をついて俺に大きなお尻を向ける。「好きにしていいのよ」
 俺が彼女のスカートをまくり上げると、彼女の秘部はショーツ越しでもわかるくらい濡れている。俺は彼女の尻を両手で掴むと、そのまま顔を埋めて舌を這わせた。「あっ、ちょっと」彼女は驚いたような声を上げるが抵抗はしない。俺はそのままショーツをずらして直接舐めると、彼女は背中を仰け反らせながら感じている様子だった。初めて舐めるそこは独特な匂いでしょっぱかった。

「私も……我慢できないわ」彼女はそう言うと「ここにいれて」と俺を誘う。恐る恐る彼女の指定する場所に亀頭の先端を押し当てた。
「そのまま入れて」彼女はそう言うと机に突っ伏してお尻を突き出した。俺は彼女の腰を掴むとゆっくりと挿入していく。彼女の中は熱く湿っていて、それでいて柔らかく包み込んでくるような感覚だ。ゆっくりと腰を打ち付ける度に結合部から卑猥な音が漏れる。
「痛くないんですか?」「大丈夫だから続けて」俺は彼女の反応を見ながら少しずつ動きを激しくしていく。彼女は時折小さく喘ぎ声を漏らしている。
「もっと激しくしていいからぁ」彼女が振り返って言うので俺はさらに抽挿を速めた。結合部から聞こえる水音と肉同士がぶつかり合う音が音楽室に響き渡り、それがまた興奮を高める材料となる。

「ねえ、私のこと好きって言って」彼女はそう言うと振り返ってキスをせがむ。
 俺はそれに応えながら腰を振り続けた。
「好き、好きです」彼女の身体を強く抱きしめると、それに応えるように彼女の中もぎゅっと締まった。
「私も好きよ」彼女はそう言うと絶頂を迎えたらしく大きく痙攣するように身体を震わせてから脱力した。俺も同時に射精しそうになったが何とかぎりぎりで堪えて引き抜くと外で射精する。

「先生?」俺が心配になって声を掛けると、彼女は振り返って恍惚とした表情で俺を見た。
「気持ちよかった?」彼女は肩で息をしながら訊ねた。
「はい」俺がそう答えると彼女は嬉しそうに微笑んだ。そして少し恥ずかしそうにブラウスのボタンを掛けると「内緒よ、私たちだけの秘密ね」と言った。そしてまた唇を重ねてきたので、俺はそれに応えるように舌を入れると彼女の方からも絡めてくる。しばらくそうしていたが息が苦しくなったので口を離すと唾液の橋がかかった。
「……どうしよう」森下先生は少し困ったような表情をする。「私、あなたに夢中になっちゃったみたい」彼女はそう言うと恥ずかしそうに微笑んだ。
 その笑顔はとても可愛らしくて、俺は思わず見惚れてしまった。

「先生、もう一回いいですか?」俺はそう言うと彼女の返事を待たずに再び挿入した。今度は最初から激しく動くと彼女もそれに合わせて腰を動かすので、まるで一つになったような感覚に陥る。
「あっ……好き、好き」彼女はうわ言のように繰り返す。「大好き」そうしているうちに限界を迎えそうになったので俺が慌てて引き抜くと、彼女は手でこすりながら先端を咥えてくれたので、俺は彼女の口の中に射精してしまった。彼女はそれを残さず飲み干すと名残惜しそうに口を離した。そして童貞を喪失したばかりの陰茎をペロペロと舐めてきれいにすると、仕上げとばかりに亀頭にキスをして微笑むのだった。


(続く)