休日の駐車場で一目惚れした熟女と(4)
付き合い始めてから解ったのだが、麗子さんは意外と古風なところのある女性だった。
亡くなった旦那さんと俺以外には本当に男性経験はないらしい。そしてその旦那さんも歳が離れていたらしく、色々と仕込まれはしたものの直接的な挿入はあまり多くなかったそうだ。マッチングアプリも遊び相手ではなく本気でパートナーを探す目的で始めたとのことだ。
初対面での強烈な印象があったので、彼女の発言はとても意外だった。
「なによ、その意外そうな顔」
「初対面のときの態度を考えると……」 俺はもごもごと口ごもる。
「あれは良太くんも悪いわよ。私も欲求不満が長かった上に一度待ち合わせをすっぽかされてお預けされていたわけだし、そんなときにあんな熱烈な視線で見つめるんだもの」
「……そんなにでしたか?」
「本気で雌を狙っている雄の視線ってああいう感じなのね。いい勉強になったわ」
どうやら完全に不審者のそれだったようだ。
「落ち込まないの。男性からあんな風に見られるのは初めてで、私も正直嬉しかったのよ。それで結局、我慢できなくなって自分から良太くんに声をかけて車に連れ込んだわけだし」そういって彼女は優しく笑う。
「それにしても、良太くんは自覚がないのね……。ねえ、どう? 自分がどんな視線で私を見ていると思う?」
そう言って彼女は俺の手を握り、そのしなやかな指先で手の甲をなで上げてくる。
「……正直に言うと、初めて麗子さんに会った時はそこまで考えていませんでした」
「じゃあ、今は?」
「正直、今も自覚はないんですけど……でも麗子さんのことがすごく魅力的に見えるんです」
俺がそう答えると彼女は嬉しそうに微笑んだ。そして俺の耳元に口を寄せて囁く。
「実はね……あなたの視線を感じると、私も良太くんのことが欲しくてたまらなくなるの。だから、もっと私のことを欲しがって」そのまま耳にキスをされ、ゾクゾクとした感覚が背筋を走り抜けた。麗子さんはキスをしながら俺の股間を撫で始める。既にそこは硬くなってしまっていた。
「麗子さん……」俺は彼女を抱き寄せ唇を重ねた。舌を絡め合い彼女を味わう。しばらくして唇を離すと唾液が糸を引いた。彼女はそれを手で拭うと妖艶な笑みを浮かべた。
「良太くん……私もう我慢できないわ」そう言うと彼女は俺の手を取り自分の胸へと導いた。彼女の大きな胸に触れるのは初めてではないもののやはり興奮してしまう自分がいる。
「すごいわね……完全に私のことを狙ってる雄の顔」
「それだけ麗子さんが魅力的な女性だからですよ」俺がそういうと彼女は嬉しそうに笑った。
再びキスを交わして俺たちはベッドに横になる。手の中で形を変える彼女の胸を楽しんでいると、麗子さんの口から吐息が漏れた。
「良太くん……あなたの好きなようにしていいのよ」彼女の声が甘いものに変わる。その声に煽られて俺の股間もどんどん大きくなっていくのがわかる。
我慢できなくなった俺は、彼女の胸に顔を埋めて感触を楽しむことにした。柔らかな感触が顔全体に広がると同時に彼女の甘い香りが鼻腔をくすぐる。さらに強く押し付けると彼女は「んっ……」と小さく喘ぎ、俺の股間へと手を伸ばす。ズボンの上から優しく撫で回されて、もどかしい快感に襲われるがそれすらも心地よかった。麗子さんが俺のものを取り出して優しく愛撫し始めた時には思わず声が出てしまったほどだ。
「良太くんの……逞しくて素敵よ」そう言って麗子さんは俺のものを口に含んだ。温かい口内に包まれている感触に俺はすぐに果てそうになってしまう。彼女が俺のものに舌を這わせ尿道口を刺激する。その快感に耐えられず、ついには彼女の口の中に出してしまったが、それでも彼女は口を離さず最後まで吸い取ってくれる。
美味しい、と言って微笑む彼女を見てさらに興奮してしまった俺は再び下半身が硬さを取り戻すのを感じた。それを見た麗子さんは嬉しそうに笑うと今度は自分の服を脱いでいった。
下着姿になった彼女を見て俺はゴクリと唾を飲み込む。レースのあしらわれた黒のショーツは彼女の成熟した肉体の魅力を引き立てており、女性的な部分が強調されているデザインは非常に官能的だった。
「良太くん……恥ずかしいけど、見てくれる?」そう言って彼女はゆっくりと足を開いてショーツをずらす。その中心部は陰毛で覆われており、そこから滴り落ちる雫がシーツに染みを作っていった。
「麗子さん……すごく綺麗です」俺が素直に感想を言うと彼女は照れたように微笑んだ。
「ありがとう……でも、もっと良太くんに見てもらいたいの」そう言って麗子さんは俺の手を取り、自分の秘所に触れさせる。そこは既に熱く濡れそぼっていて、俺の指を受け入れる準備ができているようだった。
俺は誘われるままに指を入れる。柔らかく包み込んでくるようで、それでいてしっかりと締め付けてきた。
「そこ……もっと触ってほしい」恥ずかしそうに言う彼女があまりに可愛くて、俺は興奮を抑えきれなかった。
指で陰核をつまむように刺激すると彼女はさらに高い声で鳴いた。
「あっ、良太くん……気持ちいいっ」
麗子さんは俺のものを握って上下にしごきながら、もう片方の手で自分の胸の先端を刺激し始めた。お互いのものを刺激し合う快感は凄まじく、すぐに限界を迎えそうになったがなんとか堪える。そしてそれは彼女も同じようで、彼女の口からは絶え間なく甘い声が漏れ出ている。
「良太くん……良太くんのでイカせて……」懇願してくる麗子さんの表情を見て俺は嗜虐心が疼いた。彼女の膣内に指を入れ、Gスポットを刺激しつつ、陰核を親指で押し潰すようにすると、彼女は大きく仰け反り絶頂を迎えた。ビクビクと痙攣し力が抜けたように倒れ込む彼女を抱き止めながら俺は耳元で囁く。
「麗子さん……愛してます」それを聞いた麗子さんは、ゆっくりと俺のものを握ると自分の秘所にあてがい腰を進めた。膣内の圧迫感に思わず声が出てしまうが、彼女は構わず腰を動かし始める。結合部からはグチャグチャという音が聞こえてきており、その音すらも快感として感じているようだ。
「ああ……良太くんのすごいっ……」そう言って喘ぐ彼女の顔はとても淫らで美しいものだった。そんな姿を見ていると俺も自然と腰を動かしてしまっていたようで、それに気付いた彼女はより一層強く締め付けてきた。彼女の手コキで限界寸前だった俺は、耐え切れずに達してしまったが、それでも彼女は動きを止めようとしない。
「麗子さん……もうイッちゃいましたから」と言って制止しようとしたが、彼女は恍惚とした表情を浮かべている。どうやら完全にスイッチが入っているようで止まる気配がない。
「んっ……おっきい……ずっと硬いっ」そう言いながら腰を振る彼女の姿に触発されて、俺もまた萎えることなく貪欲に彼女を求めた。呼応するように彼女の締め付けも強くなっていく。俺は堪らず彼女を抱きしめ口づけをする。舌を絡め合い唾液を交換し合いながら腰を振っていると、やがて彼女が先に絶頂を迎えたようだ。ビクビクと痙攣し膣内の締め付けが強くなると同時に俺もまた彼女の中に射精した。
長い射精が続きようやく落ち着いたところで彼女は俺のものを引き抜いた。膣口から大量の精液が流れ出てきたため、慌ててティッシュを何枚も取り出して押さえる羽目になったが、その間も彼女は幸せそうな笑みを浮かべて俺を見つめていた。
「良太くん……ありがとう」
そう言って微笑む彼女の表情はどこかあどけなく、それでいて大人の雰囲気を漂わせていた。
俺たちは裸のまま抱き合い、お互いの体温を感じながら幸せな時間を過ごすのだった。
◆◆◆
俺と麗子さんはそれからも付き合い、色んな場所に行き何度も肌を重ねた。
しかしその度に俺の中には小さな不安と焦りが少しずつ積み重なっていった。偶然と勘違いと成り行きで出会い、筆おろしまでしてもらった。今ではこうして関係を続けているが、俺は彼女に相応しいのだろうか。
彼女は本来、マッチングアプリで自らのパートナーを探していたはずだ。そのパートナーとして自分が適切かといえば自惚れでもそんなことは言えない。彼女と釣り合う大人の男性どころか、学生の身分であり働いてすらいないのだから。
もしかすると彼女にとって俺は遊びや愛人のような存在であり、いずれ彼女が相応しい男性を見つけたときには別れを告げられるのだろうか。そんな恐怖に怯えた。
ある日、俺は意を決して麗子さんに自分の気持ちを伝えることにした。場所は夜景の見える高層ビルの最上階にあるレストランだ。彼女が予約をしてくれていたのだが、内装からしてかなり高級な店であることが窺えた。
「良太くん……今日は改まってどうしたの?」と麗子さんは少し不安そうな表情を浮かべたが、それでも平静を装っているようだったので俺としても話を切り出すなら今しかないと思った。
「麗子さん……俺はあなたのことが好きです」そう告げると彼女は驚きつつも嬉しそうな表情を見せてくれた。
「改めてどうしたの……私も好きよ」彼女の頬が赤く染まっているのを見て、彼女も俺に好意を抱いてくれていることがわかった。
「だからこそ、俺は麗子さんに相応しくないんじゃないかと思うんです」
そう告げると彼女の顔から表情が消えた。
「どういうこと?」冷たい声で彼女が言う。怒らせてしまったかもしれないが、それでも俺は言葉を続けることにした。ここで逃げ出せば一生後悔すると思ったからだ。
「麗子さんは……その、マッチングアプリとかで相手を探してたんですよね? でも今は俺とこうして関係を続けてくれている」そこまで言うと彼女は小さくため息をついた後、静かに話し始めた。
「そうね……確かに私はマッチングアプリで相手を探していた。でもね、それはただ単に寂しかったからよ」
「……でも今は違うんですよね?」「ええ……良太くんのおかげでね」そう言って彼女は微笑みを浮かべるが、俺にはまだ納得がいっていなかった。
「でも俺はまだまだ子供で、将来性もないし麗子さんを幸せにできる自信がありません。それに俺なんかよりも相応しい男性がいると思うんです」
そこまで言ったところで不意に手を握られた。驚いて彼女の顔を見ると真剣な眼差しでこちらを見つめていた。
「良太くん、あなた私の話を聞いてなかったのね。あなたは私に、一目惚れしたんでしょう?」
「……はい」
「私がマッチングアプリで相手を探してたのは、きっと良太くんに出会うためよ」
そう言って彼女は俺の手を握ったまま続けた。
「私はね、ずっと寂しかったの。……誰も私を愛してはくれなかった」
そこで一旦言葉を切ると彼女は悲しそうな表情を見せた。
「でも良太くんは違った。あなたは誰よりも私を求めてくれた……それがどれだけ救いになったか」
彼女は俺の手を両手で包み込み、自分の胸に押し当てた。彼女の鼓動を感じると同時に、その体温が伝わってくるようで心地よかった。
「私にとって良太くん以上のパートナーはいないわ」その言葉を聞いた瞬間、俺の目から涙が溢れ出した。嗚咽を堪えながら泣く俺を麗子さんは優しく抱きしめてくれた。
「でもね、良太くん……より相応しい相手がいるのは、むしろ良太くんだとも思うの」
そして彼女は俺のことを諭すように頭を撫でてくれた。
「……愛してるわ。出会ってまだそんなに経ってないけど、あなたとの出会いに感謝してる。できることならずっと一緒にいたいとも思ってる」彼女は俺の目を真っ直ぐ見つめながら言った。
「良太くんは素敵な男性よ。だからこそ私なんかに縛られずにもっと広い世界を見て欲しい。……私はもう歳を取りすぎてしまったわ。一緒になっても良太くんの子どもを産んであげられない」そう言って寂しげに笑う。
俺は思わず麗子さんを抱きしめた。「そんなことありません。子どもなんていなくても……俺が幸せになるには麗子さんが必要なんです!」
「良太くん……」と彼女は驚いたような声を上げたがすぐに俺の背中に腕を回してきた。
「ありがとう……そう言ってくれて本当に嬉しいわ」と彼女は言った。
それから少し間を置いてから再び口を開いた。「でもね、やっぱりダメよ」
「どうしてですか?」
彼女は少し困ったような表情を浮かべながら言う。
「私は良太くんを縛りたくないの。私が良太くんの枷になってしまうんじゃないか、そう思ってしまうの」
「そんなこと……」と言いかける俺を遮って彼女は続けた。
「だから……今はダメよ。でもいつか、あなたが色んな出会いや経験をして、それでもまだ私を選んでくれるのならその時は喜んで身も心もあなたに捧げさせて」そう言うと麗子さんは俺の頰にキスをしてくれた。
(続く)