出会い系の不倫妻は妄想に耽り刺激を求める(2)
美代子さんと知り合ったのは出会い系サイトだった。家と職場を往復する退屈な生活を繰り返していた僕は、刺激を求めて熟年女性との出会いを探していた。美代子さんもまた家庭や夫婦生活に不満と倦怠を感じていたというから、二人が惹かれ会ったのは必然だったのかもしれない。僕たちはメッセージのやり取りと時間を重ね、互いに対する信頼を積み上げていった。
初めてのデートは喫茶店だった。サイトでの交流しかない相手と実際に会うことに緊張しないわけはなかったが、それでも初めて会ったその日のうちにどうこうなるとは全く考えていなかった。あくまでも通常のデートに対峙する程度の心地よい胸の高鳴りだ。
しかし、運命というのは残酷であり、同時に優しい。美代子さんと向き合った途端、僕の理性は一瞬で消し飛んだ。想像以上に、自分の想像通りの魅力的な女性がそこにいたのだ。僕たちは互いにぽかんと見惚れるような表情を浮かべて、しばらく挨拶をするのも忘れていた。
「初めまして、健司さん」
照れたような柔らかい微笑みと共に差し出された手を握り返すと、美代子さんの指先がひんやりと気持ちいい。
「こちらこそ、美代子さん。お会いできて光栄です」
僕は緊張で頭が真っ白になりながら、どうにかこうにか言葉を口にする。美代子さんはそんな僕を見て頬を染め嬉しそうに微笑んだ。その仕草一つ一つが大人の女性の魅力に満ちていて、僕はすっかり魅了されてしまった。
それから僕らは喫茶店のテラス席に座り、しばらく世間話をして過ごした。カフェラテを飲みながら話す彼女はと落ち着いた雰囲気を醸し出しており、まさに理想の年上の女性といった感じだ。
清楚で上品、優しい雰囲気を持ちながらも、誘惑的な眼差しを放つ目元、白く滑らかで指先が触れたら折れてしまいそうな細い首筋、成熟した女性特有の肉感的でやわらかな乳房、そして引き締まったウエストから優雅に流れる曲線美を描くヒップライン。
「ふふ、そんなに見つめて……どうかしたんですか?」
僕の視線に気づいたのか、美代子さんが悪戯っぽく笑いながら言う。僕は慌てて視線を逸らしながら「いえ、すみません」と謝った。
「あの……本当に綺麗で、つい見とれてしまいました」
「ありがとう。でも健司さんの方が素敵ですよ」
彼女はそう言って僕に優しく微笑みかけてくれる。そんな何気ない仕草一つとっても色香に溢れていて、僕の心臓は高鳴ったままだった。初対面の相手にこれほど強く惹かれたことは今までなかった。
◆◆◆
それから僕たちは映画を見たり、公園を散歩して過ごした。その間もずっと彼女の魅力に翻弄されっぱなしだったが、それでも僕はどうにか冷静さを保っていた。彼女に嫌われたくない、彼女の嫌がることはしたくないという思いがそうさせていたのだ。
会話を楽しみながら園内を散策した後、ベンチに座ると意味もなく空を見上げた。美代子さんが僕の肩に頭を乗せるように寄り添う。
「ねえ健司さん、私達、運命みたいだと思いませんか?」
美代子さんはそう言うと僕の腕に自分の腕を絡めてきた。柔らかな胸が押し付けられる感触にドキリとする。
「そうですね。こんな素晴らしい出会いがあるなんて、本当に不思議です」
「健司さんにお会いできて本当に良かった」美代子さんはそう言うと、ごく自然に自ら唇を重ね僕もそれを受け入れた。あまりにも自然な口づけだったので、唇が離れた後で二人とも、なんだか驚いたような困ったような表情を浮かべていた。
「ごめんなさい、つい……」美代子さんが慌てて言う。
「いえ、その……嬉しかったです」僕は恥ずかしさのあまりしどろもどろになりながら答える。
彼女はまるで先程のキスが何だったのかを確かめるように、おずおずと再び唇を重ねてきて僕の舌を求めた。今度は僕の方からも積極的に舌を絡める。互いの唾液を交換し合いながら、僕たちは見つめ合ったまましばし沈黙した。
「あの……」美代子さんが僕を見つめながら言った。その表情にはどこか決意めいたものが見え隠れしているような気がした。
「私達、こうして会えて良かったと思いますか?」
問われ、僕は即答した。
「はい、僕は美代子さんと出会えて本当に良かったです」
そのやり取りだけで、僕たちが迷いと不安を捨て去りお互いを求め合う準備は完了した。
「健司さん……」
彼女は僕にしがみついたまま耳元で囁くように言った。その声色はどこか艶っぽく、そして切実なものを感じさせるものだった。
「……いいんですか?」僕は思わず聞き返していた。心臓が早鐘のように鳴っているのが分かる。
「私、ずっと我慢してきました。夫との関係は冷め切っていて、家庭内別居状態なんです。でも、どこか心の奥底では誰かに愛されたいと思っていました」
美代子さんはそう言うと僕の手を握った。彼女の指先は少し汗ばみ震えていたが、それでもなお強く握られ、僕の中で何かが弾けたような気がした。それが理性だったのか、それとも本能だったのかは分からない。しかし確実に何かが変わったことだけは分かった。そしてそれが僕にとって良い変化なのか悪い変化なのかも分からないまま、僕は美代子さんを抱きしめた。
それから僕たちはホテルへと直行した。互いの服を脱がせ合いながらも、僕たちはずっと唇を重ねていた。それはまるでお互いの存在を深く確かめ合うかのように激しく、情熱的なものだった。
「美代子さん……」
僕は彼女をベッドに押し倒すと耳元で囁いた。彼女は少し恥ずかしそうな表情を浮かべながらも、その目は期待に満ち溢れているように見えた。
「健司さん……来て」
その言葉を合図にするかのように、僕は彼女の乳房に手を伸ばした。柔らかな感触が手に吸い付くようで心地良い。そして同時に僕の陰茎は痛いほどに勃起していた。
「あぁ……健司さん」美代子さんが蕩けた声を上げる。
僕は彼女の乳首を口に含み舌先で転がしながら、右手で乳房を揉み続けた。時折漏れる吐息と甘い声を聞きながら夢中で愛撫を続けるうちに、僕の股間はさらに硬さを増すのを感じた。
美代子さんはそんな僕のペニスを握り、優しく上下に動かす。初めて会ったばかりなのに、まるで長年連れ添った恋人のような心地良さがあった。導かれるように美代子さんの中へと挿入する。熱く、柔らかく、そして締め付けるような感触。このまま時間が止まってしまえばいいのにと思わずにはいられなかった。
「はあっ、気持ちいい……健司さん、好きです……」
「僕もですっ!」
互いの身体を求め合い、激しく腰を振った。何度も果て、全身に快楽が走る。絶頂を迎えても目の前の相手への熱は冷めることなく、息を切らしながら、見つめ合う。目元には涙が浮かび、口元には笑みがこぼれ落ちた。
「美代子さん、本当に素敵でした」
「私も、健司さんと出会えて幸せです」
別れ際、再びデートを約束し、名残惜しみつつホテルを後にした。
家に帰り着いた頃には夜も更けており、窓から差し込む月明かりだけが部屋を照らしていた。ベッドに横たわりながら、美代子さんの温もりを思い出す。身体中が火照っており、オナニーをしようと思わず手が動いた。
「ああっ、美代子さんっ……」
一人きりの部屋で呻き声を上げる。自分で触るよりも美代子さんの手や口技の方が数倍気持ち良いことは分かっているが、今は彼女の感触を求めずにはいられなかった。
「はあっ、はあっ……美代子さんっ……」
何度もイッてしまった。それでも興奮は冷めず、いつまでも高ぶり続けている。翌日も仕事があるのに、全く眠りにつくことができなかった。
◆◆◆
美代子さんとの関係はそれからも続いた。デートを重ね、ホテルへと入り浸り、互いの身体を求め合った。関係を重ねる度に僕たちの間にあった遠慮のようなものはなくなり仲は深まっていった。彼女の身体はどんどん僕のものになり、僕の心は完全に美代子さんに囚われた。
美代子さんの熟練した性技に翻弄され、フェラチオから始まり、全身を愛撫され、指先で敏感な部分を優しく擦られる。その度に快楽が波のように押し寄せてきて、意識が飛びそうになる。美代子さんの口元に自分のペニスを運ぶと、彼女は目を細め、喜色満面で受け入れる。温かくて湿った口内でペニスが激しく動かされ、頭が真っ白になるほどの快感が走る。
「あぁっ! 美代子さん、出るっ……!」
僕は絶頂に達し、大量の精液を放出する。美代子さんはそれを口で受け止めた後、ゆっくりと嚥下していった。そして最後に亀頭に残ったものを吸い上げると満足げな表情を浮かべた。その仕草はあまりにも妖艶で美しくて、けれども奉仕と慈愛に満ちていて、僕は思わず見惚れてしまう。
「うれしい……そんなに気持ち良かったの?」
美代子さんが尋ねてくる。僕はそれに答えようとするのだが、絶頂の余韻で言葉がうまく出てこない。そんな僕を見て彼女は笑った。そしてそのまま僕に覆い被さると唇を奪い、舌を絡ませてきた。お互いの唾液を交換し合いつつ、僕たちは抱き合ったまま横になる。美代子さんは僕の身体に自分の乳房を押し付けながら耳元で囁いた。
「でもここはまだ硬いまま……今度は私の中で気持ちよくなろうね」
美代子さんはそう言うと僕の身体を愛撫し始めた。指先が触れる度、電流のような快感が走る。最初はくすぐったく感じただけだったのだが、次第に頭がぼんやりとしてきて何も考えられなくなる。
「美代子さん、またいきそうです……」
「まだ駄目よ。私の中に入れて、もっと気持ちよくなって」
そう言って彼女は僕の首筋を舐め上げた後、ゆっくりと僕の上に跨った。そのまま腰を落とし熱く湿った粘膜が僕の陰茎を包み込むような感覚に思わず声が出てしまう。美代子さんはそんな僕を愛おしそうに見つめると、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「ああ、美代子さんっ……」
「健司さん……可愛い」
最初は優しく探るような動きだったが次第に激しくなっていく。結合部から聞こえる淫らな水音と彼女の喘ぎ声だけが部屋に響いていた。僕はただされるがままになっていたが、それでもなお興奮は高まっていった。
「ああっ! 健司さんっ!」
やがて美代子さんの絶頂が近づき、動きがさらに激しくなる。結合部からは愛液が溢れ出しベッドを濡らしていた。そしてついにその時が来た。
「健司さんっ! 健司さんっ!」
美代子さんは僕の名前を何度も呼びながら絶頂を迎えたようだ。それと同時に膣内が激しく痙攣し、膣壁全体で僕のペニスを締め付けてきた。その快感に耐えきれず、僕もまた精を解き放った。どくんどくんと脈打ちながら大量の白濁液を彼女の胎内へと送り込む。その間も僕たちは繋がったまま、見つめ合っていた。
「健司さん……大好き」
美代子さんはそう言って僕に口付けると、ゆっくりと身体を起こした。そしてそのまま僕のペニスを引き抜くと、どろりとした白濁液が彼女の秘所から流れ出た。僕はその光景に興奮し再び勃起してしまう。それを見た彼女は妖艶な微笑を浮かべた。
「もう……まだしたいの?」
「はい……もっとしたいです」
僕は素直に答えると、美代子さんは嬉しそうに笑い、僕の股間に顔を埋めた。
(続く)