出会い系の不倫妻は妄想に耽り刺激を求める(3)

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 ピンポーン、という呼び鈴の音で目を覚ました。枕元に置いたスマホを手繰り寄せると、何件かメッセージアプリの通知がたまっていた。時刻は午前11時をまわっており、どうやら昨晩は今日が休日だからと夜更かししすぎてしまったようだ。
 しばらくぼんやりとしていたが、ピンポーンと再び呼び鈴が鳴ったのに気づき、慌ててベッドから飛び起きて玄関に向かう。今日は約束があったのを思い出したのだ。

「おはようございます、お休みのところお邪魔してしまったようで申し訳ありません」
 美代子さんだった。ビジネススーツ姿の彼女は真意の読めない営業スマイルを浮かべている。
「ごめんなさい……夜更かしして、寝坊してしまいました……」
「とんでもないことです。こちらこそこんな時間に保険の営業でお伺いしてしまい恐縮です」
 どうやら美代子さんのロールプレイングは既に始まっているらしい。寝坊したことをきちんとお詫びしたいと思うが、水を差すのも躊躇われるので、今日のシチュエーションプレイを楽しむべく寝起きの頭を切り替える。

 賃貸物件の紹介中に男性から迫られる、という設定でのセックスに味をしめた彼女は、不動産屋を辞めると保険会社の営業職に就いた。
 一カ月ほどのOJTで学んだ後に一通りの業務を経験し、晴れて先日、公的な資格試験に合格したという彼女は、今月から外回りもすることになったらしい。「保険会社に入ったらすぐに営業周りができると思ってたのに」と、ぷりぷりしながら勉強していた苦労がようやく報われたわけだ。

「あまり生命保険とか興味ないんですけど」
「ええ、お若いうちは縁のない話かもしれません」
 美代子さんはそう言いながら玄関に入り後ろ手に鍵を閉める。てっきり僕が契約と引き換えに生保レディの身体を要求するシナリオだと思っていたのだが、これは何だか僕が襲われてしまいそうな流れだ。美代子さんにしてみれば、保険会社に就職してから長い間お預けされていたようなものだから、逸る気持ちもあるのかもしれない。

 戸惑う僕をよそに彼女は靴を脱ぎ揃えると、豊満なバストがつぶれるほどの距離に接近し、耳元に唇を寄せて濡れた声で囁くように言う。
「ですから弊社では、費用負担も少なく若いうちからお得に利用できる保険を取り揃えております」
 耳にかかる熱い吐息がくすぐったくて身じろぎする僕を逃さぬよう身体を密着させ、さらに言葉を重ねる。
「ぜひ今日はお話だけでも……それに、もし今後お時間があれば私との保険の付き合い方をご検討頂けませんか?」

「えっと……付き合い方って、例えばどういうことですか?」
「そうですね……」
 美代子さんはそこで言葉を区切る。そして僕の股間に手を這わせるとズボンの上からゆっくりと撫で回した。突然の刺激に思わず声が出そうになるがなんとか我慢する。
「まずは私自身を知っていただくということで……、保険の説明も兼ねて雑談をしませんか?」

 そう言うと彼女は勝手知ったる様子で率先してリビングに移動すると、鞄から資料を取り出しテーブルの上に並べる。そして隣り合うように座ると、横から再び僕のペニスを撫で回しつつ保険商品の説明を始めた。
「まずはこちらの商品ですが、保険料がとてもお得な上に掛け捨てではなく貯蓄型なので、万が一のことがあった際にご家族に資産を残せる優れものです。また……」

 美代子さんは説明を続けながら僕の股間を撫で回す。僕はその刺激に耐えつつ彼女の話を必死に聞いていた。しかし次第に我慢できなくなり、ついにはズボンのチャックを開けてペニスを取り出してしまった。
 僕も僕で生保レディになった美代子さんと枕営業をしてみたかったのだから、興奮してしまうのも仕方ない。
 美代子さんは一瞬驚いたような表情を浮かべたがすぐに笑顔に戻り、僕のモノをしこしこと扱き始めた。

「弊社の保険はお客様のニーズに合わせてカスタマイズして提供しておりますので、もしもご不明な点があればぜひ担当である私までお気軽にご相談ください」
 そう言いながらも美代子さんの手コキは止まらない。彼女の巧みな指使いによって僕のペニスはすぐに射精寸前まで昂ってしまった。それを見た彼女も嬉しそうに微笑むと、今度は両手で僕のモノを握って上下に動かし始める。

「あの、これは一体……」
 僕は突然のことに戸惑う演技を続けながらもなんとか言葉を絞り出すが、彼女は構わず手を動かし続ける。
「私に保険のことを任せていただくということは、私に人生の一部を預けて頂くということです。そうである以上、私もその信頼に全力で応えたいんです……」
 彼女の巧みな手腕によって僕のモノは完全に勃起してしまっていた。それを見た美代子さんは一旦手を離すと立ち上がり、スカートの中に手を入れてショーツを脱ぎ始めた。そしてストッキングを脱ぐとそのまま下半身だけ裸になってしまった。

◆◆◆

 目の前には、生保レディになった美代子さんが下半身を露わにしている、という非日常的な光景が広がっている。
「あなたはお客様ですが、同時に私の生涯のパートナーになるかもしれない存在です。ですから今日はいつも以上に情熱的にご対応させていただきますね」
 なんだか演技と本音が混ざり合っていそうな台詞を口にして、美代子さんが僕の前に跪く。そして僕のモノを両手で包み込むと優しく上下に動かしながら舌先で先端を愛撫し始めた。先ほどよりも強烈な快楽に思わず腰が浮きそうになる。彼女はそんな僕の様子を愛おしそうに見つめながらさらに激しく手を動かし続けた。

 やがて我慢の限界を迎えそうになったのを察すると、美代子さんは亀頭を口に含んで吸い上げた。その瞬間、耐えきれず僕は彼女の口内に大量の精液を解き放つ。彼女はそれを全て受け止めきれず口の端から零してしまいながらも、最後の一滴まで搾り取るかのように僕のモノを強く刺激し続けた。
「んっ……すごい量ですね」
 美代子さんはそう言いながら口の中のものを嚥下し、尿道に残ったものも吸い出してくれた。そしてようやく口を離すと今度は自分の鞄の中からコンドームを取り出し、慣れた手つきで装着する。そして僕の上に跨るとゆっくりと腰を沈めていった。

「ああ……健司さんのが入ってくる……」
 そう言いながら彼女はうっとりとした表情を浮かべ、僕のモノを受け入れていた。
 温かく湿った肉壁が押し広がるようにして、奥へ奥へと導き入れる。根本まで達すると美代子さんは大きく息を吐いた後、ゆっくり動き始めた。最初は前後に小さく動かしていたが徐々にその動きを大きくしていき、やがて上下にピストン運動を始める。結合部からは愛液が流れ出し太腿を伝っていた。

 僕はそんな光景を下から見上げつつ彼女の乳房に手を伸ばす。下から持ち上げるようにして揉むと、彼女の口から甘い吐息が漏れる。
「あんっ……健司さん、激しい……」
 美代子さんの動きに合わせてこちらも腰を突き上げてやると、彼女は身体をのけぞらせ悶える。僕はそんな美代子さんの首筋に吸い付きキスマークを付けた後、さらに激しく攻め立てた。
「やっ! そんなっ……! もうダメぇっ!」
 美代子さんはそう叫ぶと同時に絶頂を迎えたようで、膣内が激しく痙攣し始めた。同時に僕もまた限界を迎えてしまい、大量の白濁液を吐き出す。

 しばらく繋がったまま抱き合っていたが、やがて落ち着いたのかゆっくりと身体を起こすと僕のモノを抜き取る。そしてコンドームを外すと中に溜まったものをうっとりとした表情で見つめてから口に含んだ。
「んっ……健司さんの味がする……」
 そう言って彼女は妖艶な笑みを浮かべる。僕はその姿を見てまた興奮してしまいそうになるが、なんとか抑え込み演技を続けた。しかしそんな僕を見て彼女は悪戯っぽく笑うと、再び僕に覆いかぶさるようにして抱きついてきた。

「本当に健司さんって可愛い……」
 美代子さんはそう言いながら僕の首筋を舐め上げる。そして耳元で囁くように笑う。
「今回は準備期間が想定外に長くなりすぎたよね……途中で我慢できなくなっちゃった」
 これには僕も「そうですね」と苦笑して頷くしかない。

「でも美代子さんの商品説明はさすがでした。思わず乗っかりたくなってしまうくらい、魅力的でしたよ」
「嬉しい、勉強した甲斐があったわ。健司さんが保険を検討するときは何でも相談してね」
「……その魅力的な身体を抱かせてくれたら、保険の契約を考えてもいいですよ」
 冗談めかしてそう言うと、美代子さんも満更でもない様子で、
「もう、健司さんって意外と貪欲なのね」と僕の首筋に吸い付き痕を付けると、ゆっくりと身体を起こして軽く乱れた服を整える。

「……そんな、ダメです。私はあくまでも保険の営業にお伺いしただけで、お客様とそういうことは……」
 美代子さんはわざとらしく戸惑いつつ、再び勃起している僕のモノをちらちらと見る素振りをする。
「そんなことを言って、本当は貴女もしたいんじゃないですか? さっきから僕の股間ばかり見て」
 僕は彼女の意図を察して意地悪くそう問いかけると、美代子さんは恥ずかしそうに顔を赤らめるが、それでもまだ抵抗しようとするので「これは不倫じゃない、あくまでも営業ですよ」と言って強引に押し倒す。そしてそのまま覆い被さるようにしてキスをした。

 最初は抵抗していた彼女も次第に大人しくなり、最終的には自分から舌を絡めてくるようになった。しばらく濃厚なキスを続けた後、ようやく唇を離すと銀色の橋がかかる。彼女はすっかり蕩けた表情になっていた。
「……本当に、契約してくれますか?」「もちろん、貴女はとても魅力的だし……」
 僕はそこで言葉を区切ると、彼女の耳元で囁くように言った。
「これからもずっと、こうして相談に乗ってくれるのなら喜んで契約しますよ」

 その言葉を聞くと美代子さんは嬉しそうに微笑み、「……私、もう我慢できない……」と呟いた。
 僕はそんな美代子さんの身体を抱き寄せつつ、再び勃起したペニスを挿入していく。今度はコンドームを付けずに生のまま挿入したため、彼女の膣の感触を直接感じることができた。熱く濡れた媚肉が僕のモノに絡みついてくるような感覚に背筋がゾクゾクする。
「んっ……すごい……」
 美代子さんは恍惚とした表情を浮かべて喘いでいる。そんな彼女の耳元で囁くように言った。
「……これからはずっとこうして愛してあげます」
 その言葉に彼女はこくこくと何度も頷きながら腰を振り始める。その動きに合わせて豊満なバストが激しく揺れた。

「ああっ! 健司さん、好きぃ!」
 美代子さんは淫らに乱れながらも愛の言葉を何度も口にする。そんな彼女を抱きしめてキスをしながら激しく突き上げると、彼女は身体を弓なりに反らせて絶頂を迎えたようだったが、それでもまだ満足できないのか今度は自分から腰を動かし始める始末だった。
「健司さんっ! 健司さんっ!」
 激しく腰を動かしながら僕を求める彼女の姿に興奮し、僕もまた彼女の中で果てた。彼女は身体を震わせて絶頂を迎えた後、ぐったりとして動かなくなった。僕はそんな彼女の頭を撫でつつ労うような言葉をかけるが反応はない。どうやら意識を失ってしまったようだ。

「……お疲れ様でした」
 そう言ってからお互いの性器同士で繋がり合ったまま、僕はベッドに横たわる美代子さんを優しく抱きしめると耳元で囁いた。
「……これからもよろしくね」
 美代子さんが僕の腕の中で、照れたように小さく頷いた気がした。


(続く)