友人に内緒で友人の母親と(2)
喜代子さんが俺の童貞を卒業させてくれたのは12月のことだった。
推薦入試で進学先が決まった俺に彼女がささやかなお祝いをしてくれたのだ。ちなみに友人も俺と同様スポーツ推薦を決めているので、体裁としては一緒にお祝いする、ということになっている。
夕食の買い出しに俺は喜代子さんの荷物運びとして同行していた。冬のイルミネーションに照らされた街を並んで歩いていると、まるでデートをしているような気分になった。
客観的に見て、俺たちは他人からどんな風に見えるのだろう。
仲の良い母と息子だろうか? だがそれにしてはあまりにも似ていない。
とすればやはり事実そうであるように、友人の母親と息子の友人なのだろうか。
「久志は何か欲しいものはない?」
喜代子さんは俺の顔をのぞき込みながらそう言った。
「えっと……」
正直に言えば彼女そのものを欲しいというのが本音だ。だがそれを言うのは憚られたので俺は少し考え込んでから答えた。
「……喜代子さんの作るハンバーグが食べたいです」
「ハンバーグ?」
喜代子さんは少し意外そうに首をかしげた。俺は慌てて取り繕うように言う。
「あ、いや……その、やっぱりお肉が食べたいなって」
「ふふ、じゃあ腕によりをかけて作るわね」
彼女は俺の腕に抱きつくと、そのまま身体を寄せてきた。柔らかな胸の感触が腕に当たる感触に思わず顔が赤くなるのを感じた。
「あの……当たってるんですけど……」
「何が~?」
喜代子さんは悪戯っぽく笑うとさらに強く胸を押し付けてくる。俺はますます顔を赤くしながら視線をそらした。
「もう……からかわないでくださいよ」
「ふふ、久志が可愛い反応するのが悪いのよ」
彼女は俺の反応を楽しむかのように身体をすり寄せてきた。その仕草にドキッとすると同時に下半身にも血が集まっていく感覚があった。
「あら、ここも硬くなってきちゃった?」
喜代子さんはズボンの上からでもわかるほど勃起したそれを優しく撫でてきた。その刺激だけで俺のものはさらに大きさを増した気がした。
「久志はえっちなくせに真面目だよね」
喜代子さんは俺の耳元で囁いたかと思うと、そのまま耳に舌を這わせた。
ゾクッとした感覚に襲われ思わず声が漏れそうになるがなんとか堪える。
彼女はそんな俺の様子を楽しげに見つめながら耳を舐め回してくる。ぴちゃぴちゃと淫靡な音が直接脳内に響くような錯覚に陥り頭がボーッとしてきた。思わず声が出てしまう。
「んっ……あっ……」
「ふふ、可愛い声出ちゃったわね」
喜代子さんがするりと俺の腕を離す。温もりがなくなり残念に思う俺をよそに、彼女は妖艶な笑みを浮かべ再び身体を寄せてきた。今度は腕ではなく身体を密着させてくる。そして少し背伸びをして俺の耳元まで唇を寄せると囁いた。
「ホテル……行く?」
これまでにも何度か行為に及ぶ寸前まで行ったことはあった。
その度に友人が帰ってきたり、何か用事を思い出したりと、俺は理由をみつけては行為を中断した。
もっと言えば、あらかじめ中断できるような理由を用意して、俺たちは恋人同士の時間を過ごしていた。
今だってそうだ。早く帰って夕食の準備をしないと、とか適当な言い訳は用意できる。だが俺は気がつくと喜代子さんの手を握り返していた。彼女もそれに応えるように強く握り返してくる。その瞳には期待と情欲の色が見え隠れしていた。
「はい」
俺はそう答えた。
◆◆◆
ホテルへとやってきた俺たちは部屋に入るなりどちらからともなくキスをした。
触れ合う程度のものが徐々にエスカレートしていき、やがて舌を絡めた濃厚なものへと変わっていく。
初めて女性とホテルへ来た緊張は、これまで幾度となく交わしてきた彼女とのキスのおかけで、あまり感じずにすんだ。場所が友人の家であるかラブホテルであるかの違いだけで、していることはこれまでに何度も繰り返してきたことだから。
お互いの唾液を交換し合うような激しいキスを終えて、息継ぎのために一度口を離す。至近距離でかかる互いの厚い吐息が余計に興奮を煽ってくるようだった。
「久志は私を抱きたい? それとも抱かれたい?」
喜代子さんが吐息交じりに囁くように尋ねた。
「俺は……」
俺は一瞬躊躇したが、正直に答えた。
「抱きたいと……思っています」
それは正直な気持ちだった。
彼女のことを女として意識してからというもの、ずっと彼女を抱きたい、自分のものにしたいと思っていた。
「嬉しい、私も久志に抱いて欲しいって思ってたから」
喜代子さんは俺をベッドに座らせると自分は跪くような姿勢になった。
「ズボン、脱がせてあげるね」
彼女は優しく俺の腰に抱きつくような姿勢のまま器用にベルトを外していく。
そしてチャックを下げるとパンツの中から俺のものを取り出した。既に固くなっているそれは喜代子さんの手の中でビクビクとしているのがわかる。
彼女はそれを愛おしげに見つめてからゆっくりと口に含んだ。温かく湿った感触に思わず声が出た。
「んっ……ちゅぷ……」
彼女は頭を上下させつつ舌で裏筋を刺激するようにして舐め回してきたり、鈴口を舌先でくすぐったりと様々な刺激を与えてくる。その巧みなテクニックに俺はあっという間に限界を迎えてしまった。
「喜代子さんっ……出る……!」
だが彼女は俺の言葉など聞こえていないかのように行為を続けた。
さらに強く吸い込みつつ頭を激しく動かすことで一気に射精感を高めていく。
そして次の瞬間には彼女の口内に思い切り吐き出していた。ドクンドクンという脈動と共に熱い液体が流れ込んでいく感覚がある。彼女はそれを一滴も逃すまいとばかりに喉を鳴らしながら飲み込んでいった。
「んっ……ごくっ……」
全てを出し終えたところでようやく口を離すと、彼女は満足げな表情で俺を見上げた。
「ふふ、いっぱい出したね」
そしてそのまま立ち上がると今度は自分の服を脱いでいく。上下の下着姿になったところで手を止める。
「あとは……久志が脱がせてくれる?」
喜代子さんは少し恥ずかしそうにしながら俺に尋ねてきた。俺は彼女の背中に手を回しブラホックを外した後、ゆっくりとショーツを下ろしていった。するとそこには茂みに覆われた割れ目があった。
「……そんなにじっくり見られると恥ずかしいな……」
喜代子さんは俺の視線を感じてか頬を赤く染めて恥ずかしそうな笑みを浮かべる。
その表情に我慢できなくなり再びキスをした。
今度は俺の方から舌を入れていき彼女の舌に絡めていく。同時に片手は胸へ、もう片方の腕は太腿へと伸ばし撫で回しながら徐々に上の方へと移動させていった。指先が茂みをかき分けるようにして割れ目に到達すると、そこは既に湿り気を帯びていて、軽く触れただけでクチュリという水音がした。
「あっ……」
喜代子さんは小さく声を漏らしたが構わずに続けると、やがて彼女の口からは甘い吐息が漏れ始めた。
俺はそのまま指を割れ目に沿って這わせていく。一番敏感な部分を探し当てたところで指の腹を使って優しく擦るように刺激を与えると喜代子さんは大きく体を震わせた。
「んっ……そこ……いい……」
喜代子さんの反応を見ながらさらに強く押し込んだり、円を描くようにしてなぞっていくうちに愛液が溢れ出してきた。それを潤滑油にしながら膣内へと指を入れると、喜代子さんは一段と高い声を上げた。
「あぁっ……!!」
指を締め付ける感覚が強くなり、動かす度に熱い粘液が絡みついてくるようだった。俺はそれを掻き出すようにして激しく出し入れを繰り返す。その度に喜代子さんはビクビクッと身体を痙攣させた。
「あっ! だめっ……きちゃう……!」
そして次の瞬間には体を弓なりに反らせて絶頂を迎えた。膣壁が収縮を繰り返し俺の指を強く締め付けてくる。やがて力が抜けたかのように喜代子さんは俺に身体を預けてきた。
「はぁ……はぁ……」
肩で息をする彼女を見つめながら俺は自分のものを取り出した。既に準備万端なそれを彼女の割れ目に擦りつけるようにして腰を動かすと、彼女は小さく喘いだ。
「挿れてもいいですか?」
そう尋ねると彼女はコクンと頷きつつ言う。
「はやく……久志のものになりたい」
俺は彼女を優しく押し倒すと、両足を広げてその間に入り込み自分のものを割れ目にあてがう。
亀頭の先端部分が触れただけで喜代子さんの口から甘い吐息が漏れた。ゆっくりと腰を沈めていくと熱く濡れた膣内を押し広げるようにして肉棒が侵入していく。
「んっ……入って……くる……」
喜代子さんは熱っぽい視線を送りながら俺のものを迎え入れてくれた。根元まで入ったところで一度動きを止める。彼女の中はとても温かくて柔らかく、それでいてしっかりと締め付けてきていて、まるで別の生き物のように感じられた。
「動きますよ」
宣言するとゆっくりと腰を動かし始めた。最初はゆっくりだった抽送運動は次第に速くなっていく。その度に喜代子さんの口からは艶めかしい声が上がった。結合部からグチュリ、ズブッという水音が聞こえて互いの興奮を高める。
「あんっ! あぁっ!! やっぱりすごいっ……!!」
喜代子さんはシーツをギュッと掴みながら快感に悶えていた。
その姿がたまらなく愛おしく感じられた俺はさらに腰を強く打ち付けていく。肌同士がぶつかり合う音が響く度に結合部からは愛液が飛び散っていくのが見えた。
「もうっ……イキそうだから……キスしながら……」
喜代子さんが潤んだ瞳で懇願するように言う。
俺はそれに応えるように唇を重ねながら、その間も腰の動きは一切緩めることなく、むしろより強く打ち付ける。
「んっ……ちゅぷ……はぁっ……んんっ!」
やがて限界を迎えた俺は、最後に思い切り突き入れてから引き抜いて、喜代子さんのお腹の上に射精した。
ドクンドクンという脈動に合わせて白い液体が大量に飛び出し、彼女の腹から胸にかけてを汚していく。
「はぁ……はぁ……」
お互い荒い息を整えながら見つめ合う。そして自然と顔を近づけると再び唇を重ねた。
唇を離してもずっと互いを見つめ合っていたが、不意に彼女がクスリと笑ったことで我に返った。
「久志ってば、すぐに元気になるんだから」
言われて気付いたが、射精したばかりの俺のペニスはまだまだ硬いままだ。
「そんなに私の身体……気持ちよかった?」
喜代子さんは俺に抱きつきながら耳元で囁くように言う。その吐息がくすぐったく感じられた。
俺は照れ隠しをするように答えた。
「それは……喜代子さんは、俺の彼女ですから」
それを聞いた彼女は満足そうに微笑むと、俺の首筋に舌を這わせてから吸い付いた。チクリとした痛みを感じると同時に喜代子さんが口を離すと赤い痕が残っていた。
「ふふ……そうだね、久志は私の彼氏だもんね」
喜代子さんは妖艶な笑みを浮かべながら言う。その笑顔がとても美しく見えた。
◆◆◆
それからというもの、俺と喜代子さんの関係はより深まっていった。
俺が彼女の家に行く機会が増えたし、彼女が俺の家に来るようにもなった。
他の家族のいない二人きりの家の中で、年頃の男と女がすることと言えば決まっている。
10代男子の性欲はやばいが、40代主婦の性欲もすごい。
俺たちはそれから何度も関係を持ったし、大抵は一度の絶頂で終わらずに何時間も愛し合った。
「あぁっ……久志ぃっ……!」
ベッドの上で四つん這いになっている喜代子さんの大きな尻に腰を打ち付ける。その度にパンパンと乾いた音が響き渡り、彼女の口からは甘い吐息が漏れる。
何度も愛し合った結果、喜代子さんは今ではすっかり俺専用の雌穴へと成り果てている。
初めて彼女を抱いた時はここまで淫乱ではなかったはずだが、一度タガが外れて背徳的な快楽を味わったことで病みつきになったようだ。毎日のように求めてくるようになったので俺もそれに応えるように激しく抱いた。
「あぁんっ! そこぉっ! もっと突いてぇっ!」
喜代子さんが上体をのけぞらせながら叫ぶ。俺は彼女の腰を両手でしっかりと掴みながら、さらに強く打ち付けた。子宮口をノックするように亀頭を押し付けると彼女はビクビクと身体を震わせる。
「あぁんっ! イクッ……イッちゃう……!」
絶頂を迎えたのか膣内が激しく収縮し俺のものを締め付けてくる。その刺激に耐えられず俺もまた射精した。ドクンドクンという脈動と共に大量の精液を流し込む。
「あぁっ……出てるぅ……私、中に出されてる……」
喜代子さんはうっとりとした表情を浮かべていた。
その表情を見るとまたすぐにでも復活してしまいそうだ。
ゆっくりと引き抜くと、ごぽっと音を立てて白濁液が流れ出てきた。
「もう満足した?」
物足りなさそうな顔で見つめてくる彼女に対して俺は首を横に振る。
そしてそのまま彼女をベッドに押し倒すと、今度は正常位で挿入した。
「あんっ、もう……しょうがない彼氏なんだからぁ」
口ではそう言いながらも喜代子さんの顔は嬉しそうだ。
俺は彼女の両足を抱えるようにして持ち上げながら激しく抽挿を繰り返す。
結合部からは先程出したばかりの精液と喜代子さんの愛液が混ざり合って泡立ち、グチュリという卑猥な音が部屋中に響き渡る。
「はぁっ……久志ぃ……好きっ……!」
喜代子さんは俺の首の後ろに手を回すと唇を重ねてきた。舌を絡ませ合いながら互いの唾液を交換し合うように深い口づけを交わす。
その間も腰の動きを止めることはせずただひたすら快楽を求め合った。やがて限界を迎えた俺は再び彼女の中に精を放った。
「あぁんっ……! いっぱい出てるぅ……!」
喜代子さんもまたビクンと身体を震わせて絶頂を迎えたようだ。
膣内が痙攣する度に最後の一滴まで搾り取ろうとしてくるのが堪らない。そのまましばらく余韻に浸っていたが、やがてゆっくりと引き抜くと、栓を失ったことで収まりきらなかった白濁液が溢れ出してくる。
「もう……出し過ぎだよ……」
喜代子さんはそう言いながらもどこか満足げな表情を浮かべていた。
「喜代子さんの身体が気持ちよすぎるんだよ」
俺がそう言うと彼女は照れ笑いを浮かべながら抱きついてくる。そして耳元で囁いた。
「私も……久志とのセックス大好き」
俺はそんな喜代子さんを抱きしめてキスをする。
今はただこの幸せな時間を噛みしめていたいと思った。
(終)