大学時代の恩師の妻との契約不倫

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 平日の昼間、ほぼ予定通りの時間に来客を告げるインターホンが鳴る。
 下半身以外はきちんとしている彼女のことだから、大方どこがで時間を調整してきたのだろう。

「いらっしゃい、どうぞ」
 玄関のドアを開けて招き入れる。
「ええ、お邪魔します」
 玄関に上がりながらぺこりとお辞儀をする彼女。

「今回も娘さんの様子を見に来た、という建前なんですか?」
 彼女の腰に手を回し抱き寄せると、彼女も慣れたもので身を寄せて軽くキスをする。
「そんな人を嘘つきみたいに言わないで、娘に会うのは本当なんだから」
 敦子さんはそう言うと、甘えるように、あるいはマーキングでもするように、抱きついて俺の首筋に舌を這わせた。

◆◆◆

 彼女の名前は皆芝敦子さん、俺の大学時代の指導教官の奥さんだ。
 学生時代に縁あって恩師の娘の家庭教師をすることになり、結果こうして不倫している。
 敦子さんは一見貞淑な淑女然としていて、初対面の際にはまさかこんな間柄になろうとは想像すらしていなかった。

 ちなみに娘さんには誓って手を出していない。元々そういう建前で始まった関係だからだ。
 本当かどうかは知らないが、娘さんが俺のことを気に入り、ふしだらな関係に発展することを危惧した敦子さんが、あるとき俺に提案をしたのだ。娘と貴方との間に何かあってからでは遅い、とはいえ貴方も若い男性だから我慢できないこともあるだろう、そこで私があなたの性欲を解消してあげます、と。

 家庭教師と生徒の性的関係よりも、学生と家庭教師先の奥様との不貞関係の方が明らかに不適切な関係であり、というかそれはもう明確に不倫なわけだが、俺は彼女の誘いに乗った。
 理由は単純で、その提案によって敦子さんがただ綺麗なだけの人妻ではなく、面白い女性でもあることに気がついたからだ。
 彼女との約束通り、俺は娘さんに手を出さない代わりに、敦子さんの口、手、胸……いや体中か。そして秘部で欲望を発散させることになる。

「相変わらず綺麗なお部屋ですね。それにいつもながら生活感のない」
 敦子さんが俺の自宅を見回して言った。
「本が多いだけの部屋ですからね」
 俺はそう答えつつ、彼女を後ろから抱きすくめる。
「もう、先生ったら……。まだ日も高いのに」

 敦子さんは口ではそう言いながらも、俺の腕の中から逃げようとはしない。むしろ受け入れて、より密着するように体を寄せてくる。
「日が落ちたら、日菜さんの所に行くんでしょう?」
「確かに……こうして二人きりでいられる時間は貴重ですものね」
 そう言って彼女は俺に体重を預ける。俺は彼女のブラウスのボタンを外していくと、ブラを上にずらし乳房を露出させる。スカートの中に手を入れ、太もから股の付け根へと指を這わせていく。

「……んっ。こんな明るいうちからだと、もう若くない体を見られるのは恥ずかしいわ……」
 言葉とは裏腹に抵抗する素振りも見せず、むしろさらに俺に体を密着させてくる彼女。
 俺はスカートをたくし上げて、白い下着の上から秘部を撫でるように愛撫する。早くもそこはしっとりと湿り気を帯びているようだ。俺は彼女のパンツのクロッチ部分をずらし、中へと指を入れた。

「……っ! ……はぅ……んっ……」
 声を押し殺し、彼女は小さく体を震わせる。感じているのは明らかで、秘裂からはどんどん蜜が溢れてくる。
「もうこんなに濡れてますね」
 俺は彼女の耳元で囁くと、その耳たぶを甘咬みする。
「やんっ!……だって先生の指が気持ちいいんですもの」
 彼女はそう言うと、体の向きを変えて俺の胸に抱きついてきた。正面を向いた彼女のブラを外してパンツを脱がせると簡単に畳んで床に置く。

「ベッドに行きましょうか」
 彼女をお姫様抱っこで抱き上げベッドへと運ぶ。そして彼女を横たえるとその上に覆い被さる。
「先生……好きよ」
 敦子さんは俺の首の後ろに手を回し、キスをせがむ。それに応えて唇を重ねると、舌を差し入れて絡ませ合う。

「んふっ……ちゅっ……」
 彼女は積極的に俺の舌に自分のそれを絡ませてくる。
 俺は左手を彼女の背中に回し抱き寄せ、右手で彼女の胸に触れる。
「んっ……ふぅんっ」
 キスをしながらくぐもった声で彼女が喘ぐ。そのまま右手で胸を揉みしだくと、形の良い大きな乳房が俺の手の中で自在に形を変える。乳首をつまんで刺激を与えると、彼女は体をびくりと震わせた。

「あっ……そこ、いいっ」
 唇を離すと、今度は首筋から鎖骨へと舌を這わせる。同時に右手は彼女の乳房を愛撫し続ける。
「あっ……はぁ……んくっ……」
 切なげに眉を寄せる敦子さんを観察しながら、俺は右手を胸から下腹部へと滑らせる。彼女の秘裂に触れると、そこはもうすっかり潤っていた。

「いつも思うんですが、本当に濡れやすいですよね。もうこんなになってる」
 俺がそう言って指を動かすと、くちゅっという水音が響く。敦子さんは恥ずかしそうに顔を背けた。
「先生……お願い、焦らさないで」
 彼女は俺の手を取ると自ら秘所の内部へと導く。俺はそれに応えてゆっくりと中指を挿入した。彼女の中はとても熱く指に絡みつくように締め付けてくる。

「はぁんっ! あぁっ……」
 指を動かす度にぬちゃっ、くちゅっと湿った音がする。まるで俺と彼女が一つに繋がっているようで興奮する。しばらく彼女の中を掻き混ぜるように動かしてから指を引き抜いた。その感触にも反応して彼女が小さく喘ぐ。

「焦らす? それならどうして欲しいか言って下さい」
 俺は彼女の耳元で囁いた。彼女は恥ずかしがりながらも、はっきりと口にする。
「……先生のがおちんちんが欲しいの、私の中に入れて」

 その言葉を聞いて俺のモノがむくりと大きさを増す。我ながら単純だなと思う。まあそれだけ敦子さんの魅力が大きいのだと思おう。
 俺はベルトを外してズボンとパンツを下ろすと、彼女の片足を抱えるようにして覆い被さる体勢になる。そして限界まで膨張した男根の先端を彼女の秘所の入り口にあてがった。

「行きますよ」
 ゆっくり押し進めると、ヌルッとした感触と共に亀頭部分が彼女の中に飲み込まれる。そこから一気に根元近くまで突き入れる。
「はぁんっ! あぁ……」
 敦子さんが背中を反らせて喘ぐ。俺は彼女を抱き寄せるようにして腰を動かす。その度に結合部からはジュプッ、ズチュッという音が響く。

「あんっ……あっ、あぁっ!」
 敦子さんは俺の動きに合わせて自らも腰を動かしている。
 その姿はとても淫靡だ。普段の清楚な佇まいからは想像もできない乱れように、興奮は高まっていく。

「はぁ……んっ! あぁん……」
 彼女が俺に抱きついてくる。そして足を俺の腰に絡めてより密着しようとする。俺はそれに応えるようにさらに激しく腰を動かす。
 パンッ、パァンという肌同士がぶつかり合う音が響く。結合部から流れ出た愛液がシーツに大きな染みを作る。

「先生っ……好き、大好きぃ」敦子さんが俺の耳元で愛を囁く。
 その声と吐息はまるで脳髄を刺激するようで、だんだん思考に甘い靄がかかっていく。
「敦子さん、そろそろ……」
 そう告げると彼女は両足を俺の腰に回してホールドして抱きつき耳元で囁く。
「先生……一緒にイキましょう」

 俺はラストスパートをかけ、一気に奥まで突き入れると、そこで欲望を解き放つ。
 同時に彼女も体を痙攣させ絶頂を迎えたようだった。膣内が収縮を繰り返し、精液を全て搾り取ろうとしてくる。
 その刺激でさらに射精が断続的に続き、大量の精子が子宮へと流し込まれていった。

◆◆◆

 どうやら娘の講義が終わる時間はあらかじめ聞いていたようだ。
 待ち合わせの時刻を告げるスマホのアラームが鳴ると、敦子さんは「あら、もうこんな時間なのね」と言って身なりを整え帰り支度を始めた。
 まるで事前に立てた計画を遂行すること自体が目的のような淀みない動きも、彼女らしいと言えば彼女らしい。

 いったいどこからどこまでが計画通りなのか。想定外の出来事など彼女に存在するのだろうか。
 敦子さんを見ていると時々そんな感想を抱くことがある。試しに敢えて敦子さんの思惑に沿わない行動をしようと試みたこともあるが、上手くいったという手応えを感じたことはない。

「じゃあ、私はこれで失礼します」と敦子さんは玄関で俺に一礼する。
「ええ。また」俺がそう答えると彼女は軽く会釈をしてから出て行った。

 敦子さんの後ろ姿を見送りながら、彼女の思惑通りに動かされているのは俺だけではなく、彼女自身もまたそうなのではないかとふと思う。
 あながち間違いではないような気もするが、それは俺が彼女の手の平の上で踊らされていると自覚しているからこそ、そう思いたいだけなのだろうか。

 窓の外はもう暗くなり始めている。娘と合流してから夕食でも一緒に食べるのだろう。
 俺はスマホを手に取る。彼女の娘とは今でもメッセージアプリで連絡を取り合っている。なんなら一緒に出かけることすらある。

 元々、娘に手を出さないことと引き換えに始まった敦子さんとの関係だが、もしも娘にも手を出したら彼女はどんな反応を示すのだろう。それともそれすら彼女の想定の範囲なのだろうか。

 好奇心というのは厄介なものだ。彼女のあの涼しげな表情の下に何が隠されているのか、それを見破ったことがないからこそ知りたいと思う自分が居る。もしそれが彼女にとっても想定外であれば、それはそれで面白いかもしれない。


(終)