路面電車で出会った女性との、白昼夢のような日々に迷い込んでいる(2)

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 駅前のカフェは休日の午後だというのに、それほど混雑していなかった。  僕と彼女は窓際のテーブルに向かい合い座り、コーヒーとケーキを注文する。彼女はホット、僕はアイスだった。 「あの……」  僕は彼女に話しかけようとして言葉に詰まった。何を話していいのかわからないのだ。  話題に窮した僕に、彼女は小首を傾げる。その仕草がとても可愛らしかったので、思わず見惚れてしまい言葉を忘れた。そしてそんな自分がい...

還暦美夫人の満たされない飢えと渇きに愛欲を注げば(2)

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 土曜日の午後、食事を終えた俺たちはベッドの上で裸で抱き合っていた。紀子さんに覆いかぶさり唇を奪うような濃厚なキスをしながら胸を揉みしだき乳首を指先で転がすように弄ぶ。そうしているうちにだんだんと呼吸が激しくなり始めるのを感じたので一旦顔を離すと彼女は大きく深呼吸をした。目は潤み頰は上気している。 「和也くん、今日はこの前よりも激しいんだね」  そう呟いて恥ずかしそうに目を逸らす姿が可愛らしくて再...

還暦美夫人の満たされない飢えと渇きに愛欲を注げば(1)

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 出会い系サイトでメッセージを送ったその女性が、年齢をサバ読んでいることは最初から解っていた。別の出会い系サイトで見かけたことがあり、そこでは最終ログインから5年以上が経過しているのに、現在と設定年齢が同じだったからだ。 設定年齢の自動更新はされないはずなので、当時の「50代半ば」という情報が本当だったとしても、現在の年齢は少なくとも60歳以上ということになる。それを承知で俺が彼女にメッセージを送りア...

早朝ランニングで知り合った人妻と雨宿りのように求め合う(2)

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 梅雨が明けて夏が訪れる頃になると、僕のランニングは生活習慣の一部として定着していた。  元々、運動に熱心なタイプではない。むしろ日差しの下で汗を流すのは苦手な方だ。会社の定期健康診断を無事に乗り越えたタイミングで止めてもよかったが、時間を朝から夕方に変えてまで続けている理由は、間違いなく彼女の存在によるとことが大きい。 「おはようございます」  今日も栗橋さんは僕の姿を見かけて駆け寄ってくる。彼...

早朝ランニングで知り合った人妻と雨宿りのように求め合う(1)

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 運動不足解消のために早朝ランニングを始めた。ジムに通うことも考えたが、あいにく近場にそんな気の利いた施設はない。代わりに広めの公園と交通量の少ない田んぼの間を通る道はあるので、その辺りを走ることにした。  先人の知恵に寄れば、運動習慣のない人間が年をとってから始める運動は、身体が悲鳴を上げるらしい。会社の先輩が面白い姿勢でそんなことを言っていた。というわけで最初はウォーキングを交えながら、徐々に...