大人しそうなカラオケ店員の人妻に逆ナンパされた

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 大学生の頃、カラオケ店でパート人妻に誘われて付き合ったことがある。彼女は比奈さんといい、年齢は30代で整った顔立ちの美人だった。大人しそうな印象とは裏腹に、結婚してからも少なくない数の男性と浮気セックスをしていたらしい。

 当時の俺はヒトカラが趣味だった。高校時代は軽音楽部に在籍しており大学に入ってからも音楽を続けるつもりだったのだが、どのサークルも音楽活動をするというよりは、音楽活動を通して親交を深めるといった雰囲気の集団ばかりでうんざりして退部した。

 趣味で人間関係に気を遣うのが億劫になった俺は、一人で音楽を楽しむようになり、そんな自分にとって便利な場所がカラオケ店だったのだ。安普請の賃貸アパートに住んでいたので、遠慮なく音を出せる環境はとても有難かった。

 そんなわけで週に3回くらいのペースで、日中の比較的お客さんが少ない時間ヒトカラ利用をしていたところ、少しずつ彼女と親しくなっていった。聞けば彼女は結婚前、いわゆるバンギャというやつで、好きなバンドを追っかけて日本各地のライブに参加していたらしい。カラオケ店でのバイトも、歌うのが好きで始めたということだった。

 先に声をかけてきたのは比奈さんからだった。元バンギャということは、要するにオタクの一種なわけで、同じくオタク気質のある俺と相性が良かったのかもしれない。今になって思えば、人妻店員が男子大学生を逆ナンパしていたわけだが、当時の俺にそんな認識はなかった。好きな音楽のジャンルも同じで、彼女と話しをするのは楽しかった。

 ある日、いつものように注文した料理を部屋に持ってきた彼女は、仕事中なのにソファに腰かけひとしきり雑談し、会話が途切れると突然キスをした。
 比奈さんは寂しそうな顔をして「もっと一緒にいたいなあ」と呟いた。俺は彼女のことを恋愛対象として見ていなかったが、その寂しそうな表情を見ていられず、連絡先を交換してしまった。そしてそれが、俺と比奈さんの関係の始まりだった。

 初めてはホテルだった。彼女はとても積極的で、「ねえ、また会える?」と聞かれ「うん」と答えると、とても喜んだ。それからも連絡を取り合い頻繁に会うようになった。比奈さんは俺のアパートからもそう遠くない場所に住んでいた。一人暮らしの俺の部屋を訪れ食事を作ってくれることもあったし、そのまま泊まっていくこともあった。俺は彼女との関係を誰にも話していなかったが、比奈さんのほうでもそれを誰かに話したりはしなかったようだ。

◆◆◆

 服の上からでは気づかなかったが、彼女は意外と女性らしい肉付きの女性だった。肌は弾力がありながらも柔らかく、白くてすべすべしている。やけに濃い陰毛に性欲の強さを連想した。旦那と長らくセックスレスだった彼女は、俺に抱かれることで精神的な安定を得ていた。俺も若かったので、セックスを求められると断ることができず、それがいつしか普通になっていった。

 彼女は、どちらかといえば淫乱だった。
「ねえ、いいでしょ? 今日もしたいな。だめ?」
 仕事が終わると俺のアパートにやってきて、体を求めてくる。彼女はその見た目からは意外に思える貪欲さで、俺の体を求めてきた。年上の女性が情熱的に求めてくるのは悪い気はしなかったし、むしろその積極性や快楽に対する飽くなき欲求は男性として喜ばしいことだった。

「あうっ……。そこっ……あんっ」
 彼女が感じていると俺も興奮してくるので、部屋にやってきた彼女をベッドに押し倒し、そのままセックスになだれ込む。
「あっ、あんっ、いいっ……もっとぉ」
 彼女は俺の体の下で悶える。俺は比奈さんの体を愛撫する。彼女の乳房を揉むと乳首が硬くなる。指や舌先で乳首をなぶるように愛撫すると彼女は嬌声を上げる。口元にペニスを近づけるとフェラを始め、しゃぶりながら自らの性器をいじってはビクビクと痙攣している。

 コンドームを着けると俺はペニスは彼女の膣内に挿入し、嬌声を上げる彼女に構わず奥までぐちゅぐちゅと挿入する。ああっとか、だめなのに気持ちいっ、とか言いながらも彼女は自ら積極的に腰を動かして快楽を貪る。
 俺もまた彼女の身体に覆い被さって激しく腰を振り続ける。小さな絶頂の波が幾重にも訪れているのか、彼女の喘ぎ声は次第に理性を手放して、野生動物のように濁っていく。

「ああっ、もうだめっ。イクッ、イクッ!」
 やがて彼女は体をのけ反らせて絶頂を迎える。彼女の膣内は痙攣して俺のペニスを締め上げてくるので、俺も堪えきれずに射精する。
「あぁ……あっ」
 彼女の深いところでビュルビュルと射精すると、その感覚だけで比奈さんはまた体を震わせて絶頂に達したようだった。射精が終わりコンドームを外すとベッドに倒れ込む。そして二人で横になって呼吸を整える。彼女は満足そうな顔を浮かべて俺を見つめる。

「ねえ……もう一回しよ?」比奈さんはそう言って俺に抱きついてくる。
「うん……」俺はそのまま彼女を抱き寄せてキスをする。キスをしながら彼女の乳房を揉むと、彼女は甘い吐息を漏らす。さっき射精したばかりのペニスがまた勃起するのを感じる。「ね……挿れて」比奈さんが四つん這いになり尻を高く上げ、俺は背後から挿入すると腰を動かし始める。ぬちゅ、にちゅっという湿った音と、パンパンという肌がぶつかり合う音を聞きながら、俺達は何度も肉欲のままに絡み合うのだった。


(終)