梅雨が明けて夏が訪れる頃になると、僕のランニングは生活習慣の一部として定着していた。
元々、運動に熱心なタイプではない。むしろ日差しの下で汗を流すのは苦手な方だ。会社の定期健康診断を無事に乗り越えたタイミングで止めてもよかったが、時間を朝から夕方に変えてまで続けている理由は、間違いなく彼女の存在によるとことが大きい。
「おはようございます」
今日も栗橋さんは僕の姿を見かけて駆け寄ってくる。彼...
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